全国的には、戊辰の役の印象が強烈のようであるが、元々は仏都である。
奈良・京都・鎌倉・平泉とともに、五大仏都のに数えられている。
奥州平泉よりも古く、平安時代には東北の仏教文化の中心地であった。
欽明天皇元(540)年、梁国から渡来の高僧/青巌により庵が結ばれ、三千坊を数えるまでに栄えた高寺へと発展する。
越後海岸への漂着による渡来ではあったが、仏教公伝 (日本書紀) とされる欽明天皇13(552)年10月よりも古く、初めて日本に仏教が伝来との説もある。
次いで、徳一大師が開創した慧日寺は、最盛期に寺領18万石、子院3千8百、
寺僧3百人、僧兵6千人を擁したが、平家に与したため徐々に勢力を失い、伊達政宗公の会津侵攻で、すべてが焼失した。
各地にあった神社仏閣も、ほとんどが戊辰の戦乱でにより焼き払われた。
人々の栄枯盛衰の営みを見続けてきた大自然は、今なお健在である。
磐梯朝日国立公園、尾瀬国立公園、日光国立公園、越後三山只見国定公園があり、北に飯豊山、西に駒ケ岳、南に帝釈山、東に吾妻山など標高2千メートル
の山々に囲まれ、黄金の磐梯山を有する。
猪苗代湖など清らかな湖や、桧原湖、秋元湖、小野川湖なども新たに誕生した。
積雪も多い。
連なる山々に蓄えられた雪は、真夏の水源となり、枯れることはない。
せせらぎから小川へ、川へ、河へと姿をかえ、日本海と太平洋の2つに注ぐ。
それらが織りなす風景は、今も変わらない。
豪雪地帯にもかかわらず“やませ”の影響はなく、夏の日中はフェーン現象で高温となる。
平野部では稲作が盛んで、山間部では蕎麦の生産が多く、日本有数の穀倉地帯でもある。
豊かな水源にあふれる耕作地は、そこに住む者にとって豊かすぎる。
ただ、1年の4分の1は雪との戦い、1人では戦えない。
争いを好まない気質は、そこから育まれたという。
競い合う芸能人などの輩出が、少ないといわれる所以である。
日本海に注ぐ分水嶺の西側に位置するため、越後の風土と共通する点も多いが、今でも独特の風土・慣習が引き継がれている。
数多くの遺跡が発掘されており、旧石器時代から人々が生活を営んでいた。
地名「会津」の由来については、崇神天皇の神話時代、四道将軍/大彦命と子/建沼河別命
その他にも、
◇ 阿賀野川と只見川の合流地一帯が舟運で栄えており「川が合わさる (会う) 港 (津)」から
◇ 日本海側からと太平洋側からの物質の取り引きのため「会う水辺」から
など諸説もある。
律令制度での陸奥国会津郡であったが、平安時代に会津郡・耶麻郡・大沼郡・河沼郡 (会津四郡) に分離された。
会津四郡を再び統一した蘆名氏や、上杉景勝公、蒲生氏郷公の時代は、中通りの伊達郡・信夫郡・刈田郡、出羽国置賜地方・庄内地方、佐渡、越後国東蒲原なども治めていた。
現在の会津は、東を奥羽山脈、北を飯豊山地、西を越後山脈、南を帝釈山脈に囲まれた地域である。
総面積 5,420Km2
都道府県としての面積は、第3位であるが、
1位 北海道 83,456Km2
2位 岩手県 15,278Km2
3位 福島県 13,782Km2
4位 長野県 13,562Km2
会津だけでも、
愛媛県 (5,677Km2) に次ぐ広さがあり、
愛知県 (5,164Km2)、千葉県 (5,156Km2) を凌駕している。
総人口 28万人強
都道府県としての人口は、第18位、
1位 東京都 1,300万人
2位 神奈川 900万人
3位 大阪府 880万人
〜〜
17位 岐阜県 208万人
18位 福島県 202万人
19位 群馬県 200万人
会津としては、
最も少ない第47位の鳥取県 58万人
の半数にも満たない。
大半が、若松を中心とした会津盆地に集まっている。
幕末には、現在の福島県で最大の人口を誇る城下町であったが、の謀略により今では見る影もない。
藩領が割譲・縮小されたので面積が小さくなってしまい比較するのは難しいが、日本の人口が約4倍になったにもかかわらず、会津の人口は ほとんど当時と変わっておらず、戊辰の役による破壊や、戦後の宿場町の解体などの策略の影響が、今なお色濃く残っている。
会津は、17市町村で構成されている。
耕作が可能な空間ごとに、住み処として発生、発展してきた。
今でも、山々などの豊かな自然が、それらの地域を結んでいる。
その中心地が、歴代の居城があった若松である。
@会津若松市 | A会津坂下町 | B会津美里町 | D金山町 | C猪苗代町 | |
E喜多方市 | F北塩原村 | G下郷町 | H昭和村 | I只見町 | |
J西会津町 | K磐梯町 | L檜枝岐村 | M三島町 | N南会津町 | |
O柳津町 | P湯川村 |
広域行政圏は、下記の3つに分かれている。
会津若松 広域行政圏 |
@ 会津若松市 | A 会津坂下町 | B 会津美里町 | C 猪苗代町 | |
D 金山町 | H 昭和村 | K 磐梯町 | M 三島町 | ||
O 柳津町 | P 湯川村 | ||||
喜多方 広域行政圏 |
E
喜多方市 |
F
北塩原村 |
J
西会津町 |
||
南会津 広域行政圏 |
N
南会津町 |
G
下郷町 |
I
只見町 |
L
檜枝岐村 |