会津の名菓は、古来よりの仏都らしく供え物として、かつ気象風土が育んだ。
庶民にも普及したのは、茶人でも有名な蒲生氏郷公が入府して、茶道が盛んになってからといわれている。
そして、武家社会での「上菓子」、庶民の味「駄菓子」として発展した。
上菓子は、もち菓子、あん菓子などの生和菓子と、あめ菓子、せんべえなどへと広がる。
一方、江戸の流れをくむ駄菓子は、黄粉ねじり、あんこ玉、黒パン、だるまあめ、鳥あめ、金花糖など会津各地に生まれ、独特の菓子として進化した。 麦、ヒエ、アワ、くず米、豆類などの穀類を原料として、アメや黒砂糖などを加えたものである。
昔ながらの名菓、新しく生まれた人気のお菓子が数多くある。
製造元での店では、1個売りしている店も多い。
まず味わい、気に入った菓子を土産に、どうぞ。
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◎「白虎最中」 創業以来の店を代表する品で、ボリューム感は格別。 ◎「会津ゆべし」 クルミ入り醤油風味の蒸し餅菓子。 地元で人気の逸品。 ○「会津黒糖まんじゅう」 沖縄の黒糖が小豆の美味さを引き立てている。 ○「会津本陣」 新たな菓子の中での人気品。 |
◎「湯の花羊かん」 .
竹の皮の包装に、赤色のラベルが特徴。
土産物店や、地元の大手スーパーでも見かける。
甘すぎず、しつこくなく、万人向け。
「水ようかん」「柿羊羹 (季節限定)」「少年白虎羊かん」「松三郎」「あい姫羊かん」
・創業 文政2(1819)年
・7時30分〜18時
・定休 元日
▲(会津若松市東山町湯本123 Tel. 0242-27-2009 〔HP〕)
◎「五郎兵衛飴」
会津産餅米と麦芽で作った滋養に富んだ軟らかい飴。
江戸時代には、戦の時の携行食とされていた。
堅くなっても、1〜2分ほど熱湯に入れれば戻る。
800年前に、立ち寄った義経と弁慶にも所望され、その時の代金の借証文が残っているという (養和元/1181年4月2日)。
・創業 治承年間もしくは文治年間(1177〜1190)
・8時30分〜18時30分 (12〜3月は9時〜18時)
・定休 不定休
「会津復古会」加盟店。
▲(会津若松市駅前町7-11 Tel. 0242-22-5759)
直販店舗は閉店、他の土産店などでお買い求めを。
◎「翁飴」
餅米と麦芽だけで精製した添加物の自然食品。
主に贈答用、特に療養剤として病気見舞いに使われる。
閉店か?
▲(会津若松市新横町1-41
Tel. 0242-27-2548)
◎「かすてあん(会津葵)」
蒲生氏郷公が起点だが、松平家の紋/会津葵が押印。
◎「求肥(宵待草)」
夏の大川を彩る宵待草と会津を愛した夢二をイメージ。
◎「鶴ヶ城羊羹」
沖縄の黒砂糖を錬り込んだ昔懐かしい風味。
◎「あかべこ」
原材料にそばを使用し、民芸品にちなんだ求肥の菓子。
「かすてあん(江戸葵)」「打ち菓子」「求肥(あかべこ、葵餅、花餅、葵餅)」「縁起菓子(小法師)」「蕎麦ぼうろ」「焼き菓子(麟閣)」「みず飴(御薬園ジドバ)」「深山漬(高麗富貴、木天蓼)」
詰め合わせセットもあり、お勧め。
地元では、「祝い菓子」の「亀甲鶴」「舞鶴」も良く求められている。
本店は、鶴ヶ城の北出丸の入口角にある。
・創業 江戸時代
・9時〜18時
・定休 元日
裏の「シルクロード文明館」は姉妹店で、茶房「西遊館」もある。
「会津復古会」加盟店。
▲本店(会津若松市追手町4-18 Tel. 0242-26-5555 〔HP〕)
南蛮館(会津若松市中央1-2-46 Tel. 0242-22-2010)
◎「あいづじょっこ」
アーモンドクッキーのような菓子。
シンプルなバター味、しっとりとしたココア味の2種類がある。
“じょっこ”とは、会津弁で“かわいい女の子”の意味。
以前にはハサミが入っていたが、今は無い。
「会津嶺」や、地元では「生どら焼」「大福」も人気。
・創業 明治41(1908)年
・8時30分〜19時 (日曜と祝日は、9時〜17時)
・定休 不定休
▲(会津若松市馬場町1-51 Tel. 0242-22-1123)
◎「巴もなか」
一口サイズで、とにかく餡が美味い。
◎「四道将軍」
粒餡がバター風味と良く合う。
土産ではないが、パンが美味い。
・創業 大正8(1919)年頃
・営業 9時〜19時30分 (祝日は10時〜16時)
・定休 日曜日
▲(会津若松市馬場町1ー22 Tel. 0242ー22ー0985)
◎「椿餅」 白虎隊も食べたクルミ餅
“ゆべし”で、真空パックの2種類がある。
生は作ったその日に売り切る。賞味期限は3日。
「椿餅」は、鶴ヶ城北側の坂の名からとったとのこと。
◎「白虎饅頭」
忠実な正統派の饅頭。
箱小売りだけで、個小売りはしていない。
なぜか、松本屋の湯の花羊かんもバラ売りしている。
・創業 天保年間(1830〜1844)
・9時30分〜18時30分
・定休 水曜日
▲(会津若松市大町1丁目3-1 Tel. 0242-22-1652)
(会津若松市一箕町亀賀字藤原331-5 Tel. 0242-24-6462)
◎「おけいまんじゅう」
白と黒の小粒な饅頭。
◎「みそまんじゅう」
風味豊かな小粒の饅頭。
地元では季節ものが人気
4月:桜餅、4〜6月:笹だんご、ひしまき、12月:きりもち
・創業 明治40(1907)年
・9時〜19時30分
・定休 不定休
▲(会津若松市栄町7-21 Tel. 0242-22-0390)
◎「薯蕷(じょうよ)まんじゅう」
麟閣のお茶会で、茶席菓子として供されている伝統の菓子。
磨った“つくねいも”と砂糖・白米の粉のみで水を加えていない皮に、小豆の皮を除いた餡が包まれている。
○「生どら焼き」
人気急上昇の新たな商品で、キャラメル味が評判。
・創業 明治20(1887)年
・営業 9時30分〜17時30分
・定休 不定休
▲七日町店(会津若松市七日町5-17 Tel. 0242-22-7411 〔HP〕)
昔からの店は工場になっていた(20/10)。
(会津若松市日新町12-23 Tel. 0242-27-1686)
◎「柿福」
柿の実を丁寧に仕上げた逸品。
残念ながら季節限定 (例年、晩春まで購入可)。
「めんこいまんじゅう」
以前は「黒糖まんじゅう」と称していた。
1個10円強が、うれしい。 (→ 現在は値上げ)
まんじゅうや大福など、和菓子作りの体験が人気で、お勧め。
・創業 平成14(2002)年
・9時〜16時
・定休 不定休
▲(会津若松市東山町石山字院内408 Tel. 0242-29-4177
〔HP〕)
・大震災のため、現在地に移転。
◎「宝の山」
サクサクで香ばしいサブレ。
旅館・ホテルのお茶菓子になっている。
「白虎の梅」
残念ながら「庄助まんじゅう(直売のみ)」は製造中止。
・創業 明治40(1907)年
・営業 9時〜17時
・定休 日曜日、不定休
▲(会津若松市日新町16-40 Tel. 0242-27-0287)
◎「会津の殿様」
三葉葵の紋所をかたどった和菓子。
2階でパソコン教室を開いているとかで、
カギがかかっており、店内に入れなかった。
写真の菓子は、別の販売店で4個入りを購入。
▲(会津若松市 日新町14-9 Tel. 0242-27-2308)
工場(会津美里町米田字北原甲219 Tel. 0242-79-1002)
◎「栗もなか」
白ささぎから作った餡の中に、軟らかい栗が一粒入っている。
防腐剤など入っていないので、日持ちはしない。
◎「翁飴」
大麦を発芽させた麦芽100%使用の軟らかい飴。
・8時30分〜19時
・定休 木曜日
▲(会津若松市材木町1-8-18 Tel. 0242-27-1559)
店内のリニュアル後に駄菓子が消えてしまい、普通の菓子店になってしまった。
残念。 以下は、リニュアル前の記事。
◎「あんこ玉」
粒あんを丸めて固めたもの。
◎「黄粉ねじり」
きな粉と水飴で作られるねじれた棒状の練り菓子。
◎「くるみゆべし」
クルミの香ばしさは緑茶に とても合う。
昔懐かしい駄菓子が30種ほど店頭に並んでいる。
○「黒ぱん」
「焼菓子」「茶席菓子」「干菓子」「最中」「ようかん」や、「ギフト詰合せ」などもお勧め。
・創業 嘉永元(1848)年
・9時30分〜17時30分
・定休 不定休、年末年始
最も古くから営業を続けている駄菓子司。
「会津駄菓子資料館」は飯盛店の2階に併設されていたが、東日本大震災で被災し閉館。
▲本店(会津若松市川原町2-10 Tel. 0242-27-1358 〔HP〕)
七日町店(会津若松市七日町3-30 Tel. 0242-29-7070)
◎「ごまみそせん」
味噌風味に胡麻が加わり、魅せられた愛好者は多い。
煎餅というよりクッキーに近く、サクサクしている。
○「会津さこらんしょ」
“クルミゆべし”で、創業時から製造。
元は、日新町にあった。
▲(会津若松市町北町藤室字藤室736 Tel. 0242-33-9755)
◎「会津武者煎餅」
元々「大津加店」で製造して大ヒットした商品だった。
昭和49(1974)年に設立されたが平成13(2001)年に倒産、復活を求める多が多くオノギ食品が販売権を取得し製造を継続。
多くの土産店で売られている。
○「みそぱん」
昔なつかしの駄菓子。
電子レンジで温めると、さらに美味しい。
▲(会津若松市町北町藤室字藤室178-4
Tel. 0242-22-1387 〔HP〕)
(喜多方市関柴町下柴字上ノ代387-2 Tel. 0241-22-9140)
「ずんだ餡」「黒ごま餡」「くるみ餡」「かぼちゃ餡」「うぐいす餡」「フルーツ餡」
・創業 大正10(1921)年
▲(会津若松市真宮新町北2-4 Tel. 0242ー58ー1185 〔HP〕)
≪稲葉屋菓子店≫
「あわまんじゅう」、「茶まんじゅう」、「茶まんじゅう」
▲(柳津町柳津字岩坂町甲208
Tel. 0241-42-2511)
≪岩井屋≫
「栗まんじゅう」、「あわまんじゅう」、「あゆ最中」
▲(柳津町柳津字寺家町甲147
Tel. 0120-294247、0241-42-2107)
≪おかめ屋≫
「あわまんじゅう」、「栗まんじゅう」、「茶まんじゅう」
▲(柳津町柳津字諏訪町甲139
Tel. 0241-42-2431)
≪小池菓子舗≫
「鶴ヶ城会館」店
「憩の館」店
飯盛山店
「あわまんじゅう」、「栗まんじゅう」、「うぐい乃舞最中」
▲(柳津町柳津字岩坂町甲206
Tel. 0120-090976、0241-42-2554 〔HP〕)
(柳津町大字柳津字安久津乙20 Tel. 0241-42-2143)
≪はせ川屋菓子店≫
「あわまんじゅう」、「ごままんじゅう」、「栗まんじゅう」
▲(柳津町柳津字岩坂町甲180
Tel. 0241-42-2383)
≪山中屋聖牛最中本舗≫
「聖牛最中」、「あわまんじゅう」、「茶まんじゅう」
・ちょっと離れた街外れにある。
▲(柳津町大字柳津字一王町甲33
Tel. 0241-42-2569)
◎「酒もなか」
地酒の銘柄が書いてある徳利の形をした最中。
形が珍しい土産として、話題作りには最適。
土産店でも時おり見かけるし、会津若松駅の売店にはある。
▲(会津坂下町字上沼ノ上丙195
Tel. 0242ー83ー0536)
◎「九重 (ここのへ)」
湯に溶かして飲む、柚子の香り豊かな菓子。
昔から、ハレの日には飲まれていた。
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最近は、ブドウ味、抹茶味が加わり3種類ある。
・創業 明治27(1984)年
・8時〜19時
・定休 第1日曜日、毎月16日・26日
「会津復古会」加盟店。
▲(喜多方市塩川町新町1846 Tel. 0241-27-2045)
「萩の月」が出るまで、仙台の土産として「九重」が一番売れていたため誤解されるが、会津発祥の菓子である。
会津の栗村千代吉が、製法を創案した。
栗村から製造販売の許可をもらった玉沢伝蔵が、仙台の駅前で販売したところ、日持ちがすることから大人気となったのである。
◎「喜多方たまりせんべい」
・創業 明治33(1900)年
・10時〜17時
・定休 年末年始、不定休
「会津復古会」加盟店。
▲直売店 (喜多方市関柴町上高額字北町407 Tel. 0241-22-0004
〔HP〕)
工場 (喜多方市豊川町米室字遠瀬戸4325 Tel. 0241-22-0614)
◎「たまりせんべい」
・創業 110年以上前
・8時〜17時
・定休 日曜日
▲(喜多方市字御清水7264 Tel. 0241-22-0974)
店主が亡くなり、2年ほど奥さんが頑張っていたのだが・・・
◎「酒もなか」
地酒の銘柄が書いてある徳利の形をした最中。
形が珍しい土産として、話題作りには最適だった。
▲(会津坂下町字上沼ノ上丙195)
≪香月堂菓子舗≫ <閉店>
「うぐい最中」、「あわまんじゅう」、「栗まんじゅう」、「どらやき」
▲(柳津町柳津字寺家町甲170)
◎「かやの実せんべい」
芦ノ牧温泉の代表的な土産品で、この1品だけで営んでいた。
東日本大震災で原料の“かやの実”が入手困難となり、製造中止となってしまい、漢方薬でも使う“かやの実”煎餅が、残念ながら日本から消えてしまった。
▲(会津若松市大戸町芦ノ牧字峠516-5)
◎「べろせんべい」
170年の歴史があった名菓。
家庭から火鉢や囲炉裏などが消え去るのに伴って、思い出になった。
炙って食べるのだが、大きく膨れるので、焼くのが楽しみだった。
▲(喜多方市常盤町4993)