徳 一 大 師 ( 徳 一 菩 薩 )

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浜通りにある徳一大師と所縁の寺院

 徳一大師は、当時の堕落した都の仏教を嫌い、それまでの伝統的な奈良仏教にはなかった衆生済度を願い、各地に寺院を建立するとともに真の教えを広める。
 筑波山 (茨城県) を開き、小名浜 (いわき市) に上陸、そこから会津へ向かったため、いわき各地でも数多くの寺院を開創した。
 明治に入るや、無知なテロリスト/長賊らの大罪/廃仏毀釈によって、日本全土の寺院から貴重な文化遺産の殆んどが失われ、僧尼の神職転換または還俗の強要を拒否した一部の名僧が虐殺されたという。
 いわき市にあった徳一大師の遺産も例外ではなく、多くが消滅したが、地元の方々の凛とした支援・信念により、僅かながら今なお伝承されている寺院が残存している。

朝日観音堂

 大同2(807)年、徳一大師がカヤの霊木を発見し如意輪観音像と千手観音像を彫刻、一宇を設けて如意輪観音像を安置。
 磐城三十三観音/22番札所 (聖観音)。
 ▲(いわき市平幕ノ内手倉36)


医王寺

 大同2(807)年、徳一大師が八茎岳薬師の別当/天津山蔵勝寺 (阿命寺とも) として開山。
 ▲(いわき市平上荒川五郎内157)


恵日寺<四倉>

 和銅2(709)年、三論宗の慈慧法師が創建。
 大同元(806)年、徳一大師が仏教を広める拠点として再興。
 ▲(いわき市四倉町玉山字牧ノ下53)



        《玉山観音堂》
          磐城三十三観音/28番札所。
            (聖観音・十一面観音)
          ▲(いわき市四倉町玉山字南作)


円通寺

 大同2(807)年、徳一大師が法相宗寺院として開山した名刹13寺の1つ。 光明山觀音院。
 後に、真言宗智山派に改宗。
 ▲(いわき市遠野町上遠野根小屋40)


金光寺

 大同年間(806〜810)、徳一大師が法相宗寺院/長福寺として開山。 養照山寶蔵院。
 元禄年間(1688〜1703)、金光寺 (高野山真言) となる。



        《久保中山観音堂》
          磐城三十三観音/16番札所。
             (十一面観音)

 ▲(いわき市鹿島町久保西ノ作71)


賢沼辨財天 (沼之内辨財天)

 大同2(807)年、徳一大師が弁財天を勧請し、法相宗寺院として開山。 天光山密蔵院。
 後に、真言宗智山派に改宗。



        《密蔵院賢沼寺》
         磐城三十三観音/18番札所。
               (千手観音)
         ▲(いわき市平沼之内字代ノ下104)



        《沼之内観音堂》

         ▲(いわき市平沼之内字堂下)


菊多七観音

 徳一大師が高蔵寺で彫刻した7躯の観音像の1つを安置。

高倉観音 (高蔵寺)
 大同2(807)年、天変地異で荒廃した村々を救うべく、徳一大師が千手観音を彫刻し開山。
 海雲山慈眼院。 後に真言宗智山派。
 この寺で、7躯の観音像を彫刻し、菊多郡の要所に安置した一宇は、今なお「菊多七観音」と呼ばれ大切にされている。 磐城三十三観音/6番札所。
 ▲(いわき市高倉町鶴巻50)


 

法田観音堂 (法田寺)

 一宇を設け、7躯の観音像の1つを安置。
 慈雲山。 後に真言宗智山派。
 磐城三十三観音/7番札所 (千手観音)。
 ▲(いわき市山田町仁井谷13)


仏具山観音堂

 仏具山の山頂に一宇を設け、7躯の観音像の1つを安置。
 磐城三十三観音/9番札所 (聖観音)。
 ▲(いわき市山玉町神申74-1)


富沢観音

 一宇を設け、7躯の観音像の1つを安置。
 磐城三十三観音/8番札所 (聖観音)。
 ▲(いわき市川部町富沢10)


出蔵観音 (出蔵寺)

 一宇を設け、7躯の観音像の1つを安置。
 大櫻山蔵王院。 後に真言宗智山派。
 磐城三十三観音/10番札所 (千手観音)。
 ▲(いわき市勿来町酒井字出蔵141)


関田観音 (松山寺)

 一宇を設け、7躯の観音像の1つを安置。
 関松山宝寿院。 後に真言宗智山派。
 磐城三十三観音/11番札所 (十一面観音)。
 ▲(いわき市勿来町関田寺下42)


鮫川観音

 一宇を設け、7躯の観音像の1つを安置。
 磐城三十三観音/12番札所 (十一面観音)。
 ▲(いわき市錦町大島109)


子安観音

 大同年間(806〜810)、徳一大師が開山。
 ▲(いわき市内郷高野町銅目木)


高野坂観音

 大同年間(806〜810)、当地が紀州/高野山に似ていることから、霊地と悟り、一宇を設ける。
 薬師堂も置かれている。
 磐城三十三観音/26番札所 (聖観音)。
 ▲(いわき市平北神谷字前の作102)


宝林寺
 大同元(806)年、徳一大師が開山。
 ▲(いわき市大久町大久小久田仲98)

《小久観音堂》 磐城三十三観音/30番札所 (聖観音)
 大同2(807)年、徳一大師が聖観音を彫刻し、宝林寺の裏山に一宇を設け安置。


           
 ▲(いわき市大久町小久字田仲)


最勝院

 大同年間(806〜810)、徳一大師が法相宗寺院として開山。
 ▲(いわき市山田町堀ノ内65)


勝行院

 大同元(806)年、徳一大師が法相宗寺院として開山。
 三函山。 後に真言宗智山派。
 ▲(いわき市常磐湯本町三函303)


常福寺

 大同2(807)年、徳一大師が現在地に再興。
 水晶山玉蔵院。 後に真言宗智山派。
 ▲(いわき市平赤井字赤井嶽1)


清谷寺

 大同年間(806〜810)、徳一大師が法相宗寺院として開山。
 後に、真言宗智山派に改宗。
 ▲(いわき市渡辺町上釜戸字堤ノ内71-3)


青瀧観音堂

 大同2(807)年、徳一大師が青瀧の景観から聖地と悟り、千手観音像を彫刻し、一宇を設け開山。
 磐城三十三観音/25番札所 (千手観音)。
 ▲(いわき市平絹谷字諏訪作)


禅長寺

 大同2(807)年、徳一大師が法相宗寺院として開山。
 普門山禅長護国禅寺。
 後に臨済宗妙心寺派。
 ▲(いわき市小名浜林城大門9)


大楽寺

 大同年間(806〜810)、徳一大師が開山。
 ▲(いわき市平菅波字菅波入)


龍澤観音/増福寺 (大龍寺/廃寺)

 大同2(807)年、徳一大師が十一面観音像を彫刻し、一宇を設けて龍澤山大龍寺と号して開山。
 明治に入り、長賊らの大罪/廃仏毀釈により廃寺となったため、龍峯山増福寺に移る。
 磐城三十三観音/20番札所 (十一面観音)。
 ▲(いわき市平南白土舘岸73)


忠教寺

 大同元(806)年、徳一大師が法相宗寺院として開山。
 磐城山。 後に臨済宗妙心寺派。
 石森観音堂 磐城三十三観音/23番札所 (千手観音)。
 ▲(いわき市平四ッ波石森216)


長興寺

 大同元(806)年、徳一大師が法相宗寺院として開山。
 龍峰山長興禅寺。 後に臨済宗妙心寺派。
 ▲(いわき市好間町下好間字大舘302)


長谷寺

 大同2(807)年、徳一大師が観音像を安置し、法相宗寺院として開山。
 宇治山。 後に曹洞宗。
 ▲(いわき市常磐上湯長谷町堀ノ内138)


長寿院

 大同元(806)年、徳一大師が法相宗寺院/堂田山光蔵院として開山。
 後に、好間山、真言宗智山派。
 ▲(いわき市好間町北好間槐作12)


北郷童堂観音堂

 大同元(806)年、徳一大師が十一面観音像を彫刻し、一宇を設け開山。
 磐城三十三観音/3番札所 (十一面観音)。
 ▲(いわき市内郷綴町高野作74)


東光寺

 大同年間(806〜810)、徳一大師が法相宗寺院として開山。
 医王山。 後に曹洞宗。
 ▲(いわき市遠野町上遠野堀切168)


堂の作観音堂

 大同元(806)年、徳一大師が当地の「補陀落」と名付け、一宇を設け開山。
 磐城三十三観音/24番札所 (聖観音)。
 ▲(いわき市平上片寄堂ノ作31)


東陽寺

 大同年間(806〜810)、徳一大師が法相宗寺院として開山。
 後に、真言宗智山派に改宗。
 ▲(いわき市遠野町入遠野字関屋85)


波立寺(はりゅうじ) (波立薬師堂(はったちやくし))
 大同元(806)年、徳一大師が海上鎮護を念じるや、薬師如来像が立った姿で海中より出現、本尊として創建。
 天竺から伝来の阿弥陀如来像を安置し開山とも。
 医王山。 後に臨済宗妙心寺派。
 ▲(いわき市久之浜町田之網横内89)


日吉観音 (大運寺)

 大同年間(806〜810)、徳一大師が千手観音像を彫刻し、一宇を設け法相宗寺院として開山。
 直報山清浄院。 後に浄土宗。
 磐城三十三観音/21番札所 (千手観音)。
 ▲(いわき市平大室字白土89)


妙光寺

 大同2(807)年、徳一大師が当地で草庵/厭郷院と号し、法相宗寺院として開山。
 後に、臨済宗妙心寺派に改宗。
 ▲(いわき市遠野町深山田字寺ノ代116)


薬王寺

 大同元(806)年、徳一大師が法相宗寺院/八茎薬師の別当として開山。
 延寿山。 後に真言宗智山派。
 ▲(いわき市四倉町薬王寺塙73)


八茎薬師(やぐきやくし) (八茎寺(やぐきでら))

 大同元(806)年、徳一大師が八茎山の山頂近くに一宇を設けて、八茎岳薬師として開山。
 幾度の火災により、現在地に再建。
 ▲(いわき市四倉町八茎片倉  普通車では困難)


湯ノ岳観音 (法海寺)
 大同2(807)年、徳一大師が十一面間菩薩像を彫刻し、湯ノ岳頂上近くの南側に一宇を結ぶ。
 後に開山された法海寺の境内に、明治に入り再建。
 磐城三十三観音/5番札所 (千手観音)。
 ▲(いわき市常磐藤原町田場坂125)


湯本温泉神社
 大同2(807)年、徳一大師が湯ノ岳の頂上にあった箱型石3個に「(かい)」「(じょう)」「()」と書き印した。  山頂に一宇を設けて「戎・定・慧」の箱を納めたとの説もある。
 今の「湯の岳」は「さはこ山」と呼ばれており、古書には「佐波古、三箱、三凾」と記されている。
 ▲(いわき市常磐湯本町三函322)


龍光寺

 大同元(806)年、徳一大師が小久村堂ヶ崎に、法相宗寺院として開山。
 福寿山。 後に臨済宗妙心寺派。
 ▲(いわき市久之浜町久之浜後原68)


柳澤観音堂 (禅福寺)
 徳一大師が開いた福寿山柳澤寺が(廃寺となり、後に本尊を移して再建。
 磐城三十三観音/15番札所 (十一面観音)。
 ▲(いわき市小名浜野田峰岸3-2)



        《禅福寺》
          ▲(いわき市小名浜野田八合58)


龍勝寺

 大同2(807)年、徳一大師が開山。
 初めは長福寺として開山とも。
 ▲(いわき市常磐白鳥町勝丘160)



中通りにある徳一大師と所縁の寺院

≪ 小 野 町 ≫

満福寺

 大同2(807)年、徳一大師が法相宗寺院として開山。
 東堂山。 後に浄土宗。
 ▲(小野町小戸神日向128)


≪ 二 本 松 市 ≫

円東寺
 大同2(807)年、徳一大師が安達太良寺/北院の光明院として、安達太良山中腹に開山。
 地方最古の古刹。
 安達三十三観音霊場第十五番札所。
 ▲(二本松市渋川字下原68)

≪ 本 宮 市 ≫

高松山観音寺

 大同2(807)年、徳一大師が山中で霊木を得て本尊/薬師如来像などを彫刻し、一宇を設けて開山。
 ▲(本宮市糠沢高松27)


≪ 玉 川 村 ≫

東福寺

 大同年間(806〜810)、徳一大師が法相宗寺院として開山。
 後に、真言宗智山派に改宗。
 ▲(玉川村南須釜久保宿70)


≪ 大 玉 村 ≫   相応寺については、こちら


≪ 福 島 市 ≫

大蔵寺 (小倉寺観音)

 大同2(807)年、徳一大師が法相宗寺院として開山。
 行基菩薩が千手観音像を彫刻し開山とも。
 宝城山。 後に臨済宗妙心寺派。
 ▲(福島市小倉寺字拾石7)


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